かけぬけ★青春スパーキング!感想

ゲーム感想

どうも、カナジシキです。

今回はかけぬけ★青春スパーキング!の感想について書いていきます。

以下、かけぬけ青春スパーキングの重大なネタバレを含みますので嫌な方はブラウザバックをお願いします。

概論

全体としてタイトル通りのはじける青春をかけぬけるがテーマとして成り立っている作品でした。このテーマである青春については美少女ゲームのメインとなる「恋愛」を中心と置きながらも、「部活(遊び)」「夢(想い)」にもきっちりとフォーカスが置かれており良かったです。

このテーマについて基本的にどのルートにも共通して、青春部での活動の中、ヒロインとの秘密や想いを共有することにより、恋愛へと発展し、将来や自身について恋愛をふまえてストーリーがまとまって行くという流れが構文化されており、テーマが捉えやすい作りでした。

そして、どのルートであっても青春部での活動をしっかり行うことにより部内での友情が感じれて良かったです。しかし、その部分については主人公に対しての好意により作品で明確に表記はなくとも、ヒロインに魅力があるからこそ、プレイヤー視点では一部やるせなさを感じる点はありました。ただ、それ以上にこれはヒロインの優しさに繋がり、魅力を増させる一因となりました。

また、付き合うまで、イチャイチャ、メインの事件、というストーリーの要の配分が良く、適度な下ネタ、さらにスパイスとしてのオカルトを含めて、しっかりとADV美少女ゲームしたなと感じれました。(まあ、10年代以降のサガプラでそれ感じなきゃどこで感じんだよとも思いますが)

楽曲について

OPソングLove Vacation

ソフマップで流れているのが聞こえていた頃は、テンポ感がよく、テンションの高い、一度聴くと頭に周る曲だと感じていました。

プレイ後にしっかり聴くと「この夏は一度きり」「私も知らない私」など一見すると単なる青春ワードが、プレイ後では作品の重要ワードに聞こえてくる作りとなっていました。

BGMについて

場面展開のタイミングでのテンションが上がるBGMが多く特に青春sparking!が好きでした。

また、響ルートでのOPアレンジやED instの使い方が絶妙でした。

共通ルート(プロローグについて)

明らかにテーマとして面白いはずのアクティ部、ネガティ部への主人公の勧誘青春に後ろ向きな主人公に青春を行わせること、という内容をプロローグで終わらせており、思ったより活かさないんだその設定と思いました。

しかし、アクティ部とネガティ部が合同で青春部となることによりどのルートでも部の仲間達との関係が築かれること各ヒロインと共に青春へと主人公が向かう姿が各ルートで見られて良かったです。

キャラクターについて

主人公

遠野遊

ゲームを始めた当初の設定だけではスカしているように感じ、プロローグ終了時点でも和水さんのことを悪く感じていなかったこともあり子供に感じ、設定の苦労さも実感を持って読み込めず、あまり印象は良くなかったです。

しかし、各ルートをプレイしていき(特に律ルート)背景を知ることにより背負ってきたものがわるとその良さが見えてきました。

ついには、背負うものだけではなく、ルート内での成長も踏まえて、大体のルートでヒロインに対してだけでなく、良かったね遊くんの気持ちになりました。

サブキャラクター

神楽坂慎二

ただの親友キャラかなと思ったら、一般の親友キャラと真逆の女性不審キャラ、ああ、こういうキャラクターも悪くないなと思いました。明確なサブヒロインが存在しない本作としてはいっそサブヒロインレベルです。

しかし、そのキャラクター性により上手く動かせておらず、一部ルートでは親友キャラとしての役割である、ヒロインとの事件を解決する手助けになっていないルートもありました。なので、もう少し活かせていたら良かったのになと残念に思います。

岬和水

師匠兼叔母兼学長、まあ、一面のボスですね。

その後、各ルートで登場する彼女は強力な味方であり、良い大人でした。

和水さんとも青春したかったです。

その他街の人々

アルバイト先の店長はいい大人枠として活躍しており、アルバイト先の店員達も神楽坂が普通の親友ポジを果たさない代わりをしていたように思います。また、各ルートで登場するキャラクター達もそれぞれ良いキャラクターをしていました。

ヒロイン

攻略順に書いていきます。

柊栞里

主体性無い系配信女子、「○○が言うなら」の流れは主体性が無いを表しているように見せて、それ以上に部内での会話に緩急をつけてくれて良いキャラクターでした。

ルートとしてはバーチャル配信を行う女子という最初のトレンドを利用しながら、夢と向き合うこと、主体性が無いという特徴か、自己表現を配信で行うことに変化する、というのは「夢」を主題とした青春感が見事でした。

また、特に青春部の絆を感じラストでは泣きました。

遠野律

お兄ちゃんが大好き、だからこそ、兄を一番に思い、兄に彼女が出来たら素直に祝う、そんな最高の妹でした。

ルートとしては主人公の過去や血の繋がりの無い妹と一つ屋根の下にいること、という家族の問題をしっかり描いたものでした。そんな、重い話しの中でもしっかりと律とイチャイチャする点や重めのストーリーであるからこそネタ成分が多いこととこの緩急やメリハリが良かったです。

海堂凪子

姉御肌でも一番乙女な先輩、ホント乙女で可愛かったです。他ルートでもしっかりした先輩としてまとめてくれることもありながら、やっぱり乙女でした。

ルートとしてはこれまであった合気道という将来とプロサーファーという新しい夢、そして、夢への向き合い方という、栞里ルートとはまた違った方向性で「夢」を主題とした青春になっていて面白かったです。

もうちょっと父親が出てきてややこしくなってもよかったかなと思ったりもします。

小日向響

最高の幼馴染です。遊視点出なくプレイヤーとして見ていると「響の姉さん」と呼びたくなるようなキャラクターでした。姉御肌キャラの凪子より姉さんです。

大体のルートで遊が誰かとくっ付く時や事件の解決に際してきっかけをくれるのは彼女です。達観した目線、我を通す力、そして、リーダーシップ、そんな強さを持つ彼女が手助けしてくれるからこそ、どのルートも成り立っていたレベルです。

そして、そんな彼女のルートで響が遊に「青春」を過ごして欲しいことがしっかりわかり、最高の幼馴染となりました。

ルートとしては響自身のそんな強さに対して強くても支えはいる、強いからこそ支えはいるというストーリーであり、良かったです。また、ルートで培った街の人との関係が終盤に繋がる流れも綺麗でした。

鹿島理々

真面目で品がある可愛い女の子

マジで可愛

ずるいくらい可愛い

遊の言葉を借りるなら可愛すぎてツレェ

いや、付き合う前、理々視点も描くのずるいでしょ

本作で一番好きなキャラです。

元から遊のことが好きであり、それでも律や響と同様に遊に青春して欲しかったと思うくらいに遊を尊敬していました。このことや、ネガティ部、アクティ部の関係を含めて、響との対比が良かったです。

ルートとしては持っているからこそ奉仕しなければと思う理々、何も無いからこそ頑張ってきた遊、そんな、2人の青春が好きでした。

聖橘花

賑やかしで先輩をいじる明るい後輩

本作唯一のオカルトであり、伏線の終着点

青春をテーマにこういうのも出来るのかという驚き

そして、感動

あえて長く語るものでは無い

最高のルートでした。

ルート選びのフィードバックについて

橘花ルートが最終でしか選べない以上、下手なミスは起きないのですが、遊の事情について深く理解した上でゲームを進むた方が理々ルートをより深く読み込めるため、律ルートを早くクリアしたことは正解だと思います。

しかし、響ルートは橘花ルートへの伏線が多いので響ルートを橘花ルート前ラストにした方が良かったのでは無いかとも考えられます。

加えて、響ルート、橘花ルートの順を固定すると、友情の濃い栞里ルートは最後にプレイして感動するというルート選びができないので有れば頭の方がストーリーの全体図が掴めるので1番で良かったです。

このため、理々ルートと響ルートが逆であれば完璧だったと思います。

ただ、響ルートをラストにした方が良いのは予想できた上で、プロローグ段階で好きだった理々は最後にしたかったのである意味最良ではあったとおもいます。

イベントシーンについて

手技や趣向も多く大変良かったです。

中でも下ごしらえに注力している所には目を見張るところがありました。

また、それ以上に本作には1人消化も2つあり、イベントシーンだけでなく、悶々とするのは雄だけでないという点がきっちり描かれていたのは好みでした。

総論

青春というテーマをしっかりと料理しながら、全く違う味の6食が味わえた名作でした。

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